2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波により,東京電力株式会社(当時。現在は東京電力ホールディングス株式会社。以下,
「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所の1号機から4号機は著しい損傷を被りました。この事故により,使用中の燃料に含まれる放射性核種が放出し,
発電所のみならず周辺の環境に重大な汚染をもたらしました。また,事故直後に開始された安全確保のための措置や,使用済み燃料のプールからの取り出しに
よって廃棄物は継続的に発生し,その種類も多様化していくことが予想されます。
廃炉に向けた活動や学術的な研究開発を促進するため,廃棄物の情報を得ることは非常に重要です。東京電力および日本原子力研究開発機構(JAEA)と
国際廃炉研究開発機構は、発電所構内から廃棄物(汚染水,汚染水処理二次廃棄物,瓦礫,土壌,植物等)を採取し,放射能濃度,元素濃度,物性等の分析を実施
しています。得られた結果は順次公開されてきましたが,その公開資料はインターネット上に散在しています。
JAEAでは,これらを集約し,「東京電力福島第一原子力発電所において採取された汚染水および瓦礫等の分析データ集
(JAEA-Data-Code-2017-001.pdf) 」
として2017年に公開しました。
廃棄物の分析は継続的に行われ,そのデータは増大・多様化します。FRAnDLi(フランドリ)は,分析データをデータベース化することにより,新しい情報を利用者に提供し,
分析に係る情報の有効的な活用を目的としています。